仕事でも私生活でも、尊敬できる先輩が多くてモチベーションになるから有難いなと日々思っている。
私はずっと歌が下手だし、今だってそう。100%そのせいではないとはいえそれを理由に落ちた所だってあるし、今の面接の時だって、私の歌を聴いて苦笑いした社長の表情が怖くて忘れられない。
1人、歌っている姿を見るだけで泣きそうになってしまう先輩がいる。
それは上手すぎて、とか好きすぎて、というより羨ましくて、というのが正しい。
心から楽しそうに、気持ちよさそうに歌う姿が羨ましい。ステージの上で泳いでいるみたい。
それと比べると今の私は溺れていると言っても過言ではない。
自分の歌割が近づくにつれて息が苦しくなる。
羽ばたいている、と言った方が正しいか。
今の私には翼すらない。
歴があまりにも違うので比べるのも烏滸がましいけれど、同じ身長なのに放つ威厳が圧倒的に違う。全てが違う。
好きなアイドルの真似ばかりしていた中学生時代とは打って変わって、ようやく自分に自信を持てたので三次元にロールモデルがいなくなった。
唯一いるとしたら、アイドルマスターシャイニーカラーズの黛冬優子。
あの子の全てが私に刺さるし、この次元で体現していきたいなと思っている。
とは言っても仕事に対する姿勢や考えが似ているので自分として過ごしていたら勝手に体現されていくと思う。
三次元にロールモデルがいるようでは下位互換にしかなれないと思っている。
だから色んな人を見ても“この要素が欲しい”としか思わないし、どうしたらそれを自分の物にできるか必死になっている。
継ぎはぎ合わせて全部手に入れられたらいいのに。
でも私、欲しいもの全部手に入れないと気が済まないから意地でもそうするけど。
私生活の先輩は皆優しいから気を遣ってくれているのか、自分も最初は歌下手だったよ と言ってくれる。
私は例え嘘であろうと素直に信じて、その嘘も楽しみたいタイプなので（ホスト狂いのポテンシャル◎）そうなんだ！自分もがんばろう！と思っている。素直すぎる。
先生も私の尊敬する先輩たちに対して最初は皆下手だったよ、といっていた。1人を除いて。
才能が羨ましい。考えるだけで羨ましくて泣きそうになる。正直憧れなんてかわいらしい感情ではない。
私が今まで言われた中で一番好きな嘘がある。
一言一句覚えている訳では無いのでふんわり こんな事を言っていたな という言い方になってしまうけれど、私が上手くなったら例の先輩みたいな風になると思う、という優しい嘘。
その言葉が私を支えている。嘘でも本当でもどちらでも構わない。
その言葉を信じれているうちは純粋な私の心がまだ生きているという事を同時に証明してくれる。
それにしても、やっぱり私はホスト狂いのポテンシャルが高すぎる、、、、
でも、私のこの歌割（先輩のグループ）だったら（その先輩）が歌うだろうな、って所が多いし社長もそう言っていたから、もしかしたら嘘じゃないのかも。
高音をまっすぐ伸ばせる、というと聞こえはいいけれど、それは先輩の話であって私はただ声を張って叫んでいるだけで到底“歌っている”とは言い難い。
社長も先生も先輩に対して才能があるから次元が違うと言っていたけど、才能がない故偽物でもいいから私は同じものを手にしたい。だからいつも泣きそうになる。
もし私がその先輩くらい上手くなれたら教えてください。でも、きっと全てを見習って真似しても下位互換にしかならないから、、
居る場所も持っている曲の雰囲気も全然違うし、私というものを織り交ぜつつ誰かに上手だと思って貰えたらいいな、その優しい嘘を信じていつか気持ちよく眠りにつきたい。
